ICL手術は安全?リスクを現役クリニック職員が徹底解説!

ICL

✍️ この記事の執筆者:現役ICLクリニック職員

日々クリニックにて、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術をご検討されている患者様へのカウンセリングや、術後ケアのサポートを行っている現場スタッフです。
「目の中にレンズを入れるなんて、失明しないの?」「将来何か問題が起きないか不安…」といった、皆様が最も気にされる「安全性」について、医療現場のリアルな実情を交えながら、誇張なく誠実にお伝えいたします。

「ICLを受けたい気持ちはあるけれど、万が一失敗したらと思うと怖くて踏み出せない…」
日々のカウンセリングで、患者様から最も多く寄せられるのがこのご相談です。

大切な「目」の手術ですから、不安に思われるのは当然のことです。インターネット上には「ICL 失敗」「ICL 後遺症」といった検索キーワードも多く、ネガティブな情報に触れて心配になってしまう方も少なくありません。

結論から申し上げますと、ICLは世界的に見ても非常に安全性が確立された視力回復手術です。しかし、医療行為である以上「リスクが完全にゼロ」という魔法の手術ではありません。
本記事では、ICLがなぜ安全と言えるのか、その根拠と併せて、起こり得るリスクや合併症、そして安全性を最大限に高めるためのクリニック選びのポイントまで、丁寧に解説いたします。

ICL手術は本当に安全なのか?(結論)

まず結論からお伝えしますと、ICLは世界70カ国以上で承認され、すでに数百万眼以上の手術実績がある安全性の高い治療法です。

日本国内におきましても、2010年に厚生労働省から高度管理医療機器として正式に承認を受けており、その有効性と安全性は国からも認められています。
また、よく「失明するのではないか」というご不安の声をいただきますが、これまでICL手術そのものが直接の原因となって失明したという報告は、世界中で1件もありません。

POINT 1

ICLは厚生労働省やアメリカのFDA(食品医薬品局)でも承認されている、歴史と実績のある手術です。手術そのものが原因での「失明」の報告はありません。

ICLの安全性が高いと言われる4つの理由

では、なぜICLはこれほどまでに安全性が高いと評価されているのでしょうか。その主な理由を4つ挙げさせていただきます。

① 角膜(黒目)を削らない

レーシック手術のように角膜をレーザーで削る場合、角膜が薄くなったり、本来の形状が変わってしまったりするため、将来的に影響が出る可能性がゼロではありません。
しかし、ICLは角膜を削らずに、約3mmの極小切開創からレンズを挿入するだけです。目本来の構造を破壊しないため、目にかかる負担が少なく、術後の回復も非常に早いのが特徴です。

② いざとなれば「元の状態に戻せる」

医療において「元に戻せる(可逆性がある)」ということは、最大の安全担保となります。
万が一、術後に見え方が合わなかったり、将来白内障などの病気になって別の眼科治療が必要になったりした場合、挿入したレンズを取り出し、手術前の状態に戻すことが可能です。角膜を削ってしまうと元には戻せませんが、ICLはこの「やり直しがきく」点で非常に優れています。

③ 生体適合性に優れた「コラマー(Collamer)」素材

目の中に入れっぱなしにしておくレンズの素材には、「コラマー」という特殊な成分が使われています。
これはコラーゲンを含んでおり、人間の体(タンパク質)と非常に相性が良く、異物として認識されにくいという特性を持っています。そのため、目の中で拒絶反応を起こしたり、レンズ自体が劣化して曇ったりすることは基本的にありません。

④ 日帰りで完了し、体への負担が少ない

ICL手術は点眼麻酔(目薬の麻酔)のみで行われ、片眼につきおよそ10分程度、両眼でも20分前後で完了します。
全身麻酔のような体への大きな負担はなく、術後1時間ほど休んでいただければ、その日のうちにご帰宅いただけます。

POINT 2

「角膜を削らない」「元に戻せる」「体に優しい素材」「短時間の手術」この4つの要素が、ICLの安全性を確固たるものにしています。

「失敗する?」「後遺症は?」気になるリスクと合併症

安全性が高いとはいえ、切開を伴う手術である以上、リスクは必ず存在します。正しい知識を持ち、過度に恐れずに対処することが大切です。

① 感染症のリスク

どのような外科手術でも共通しますが、傷口から細菌が入り込み「眼内炎」などの感染症を引き起こすリスクがごく稀(数千分の一以下の確率)に存在します。万が一発症した場合、最悪の場合は深刻な視力低下を招く恐れがあります。
これを防ぐため、術後に処方される3種類の点眼薬(抗菌薬・抗炎症薬など)を、医師の指示通りに必ず点眼することが最も重要です。

② ハロー・グレア現象(夜間の見え方の変化)

術後、暗い場所で光(車のヘッドライトや街灯など)を見た際、光の周囲にリング状の輪が見える「ハロー」や、光がギラギラと眩しく散乱する「グレア」という現象が起こりやすくなります。
これはICLレンズの中央にある小さな穴(房水の通り道)に光が反射するために起こる、構造上避けられない現象です。数ヶ月経つと脳が慣れて気にならなくなる方が大半ですが、完全にゼロになるわけではありません。

③ 白内障・緑内障などのリスク

現在のICL(ホールICL)はレンズの中心に極小の穴が開いているため、目の中の水(房水)の循環が保たれ、白内障や緑内障(眼圧上昇)のリスクは劇的に低下しました。
しかし、強い衝撃を顔に受けた場合などに、レンズがご自身の水晶体に触れてしまい、稀に白内障が進行してしまうケースが報告されています。そのため、格闘技など目に直接打撃を受ける可能性のある激しいスポーツをされる方は注意が必要です。

④ 過矯正・低矯正(視力のズレ)

事前の検査データに基づいてレンズをオーダーしますが、人間の目の治癒力やピント調節力には個人差があるため、術後に「見えすぎ(過矯正)」て疲れてしまったり、逆に「見えにくい(低矯正)」状態になったりする可能性がわずかにあります。
多くの場合、数ヶ月で脳が適応し落ち着いていきますが、どうしても合わない場合はレンズの交換が必要になるケースもあります。

ICL手術で後悔しないための「クリニック選び」のポイント

ICLの安全性を決定づける最も大きな要因は、「どこで、誰に手術をしてもらうか」です。以下のポイントを必ず確認するようにしてください。

① ICL認定医・エキスパートインストラクターが在籍しているか

ICLの手術は、誰でもできるわけではありません。メーカー(スターサージカル社)が定めた講習や基準をクリアした「ICL認定医」のみが執刀を許されています。
さらに、その中でも豊富な実績を持ち、他の医師を指導する立場にある「エキスパートインストラクター」が在籍しているクリニックであれば、より安心して手術を任せることができます。

② 術前検査を徹底して行っているか

ICL手術の成功の鍵は、9割が「術前検査」にあると言っても過言ではありません。患者様の目の形、細胞の数、近視の度合いをミリ単位で正確に計測しなければ、適切なレンズを選ぶことはできないからです。
「適応検査が短時間で終わってしまった」「医師との問診が数分しかなかった」というクリニックは避け、複数回の精密検査を行い、リスクも含めて丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。

③ アフターフォロー(保証制度)が充実しているか

万が一、術後に視力のズレが生じた場合や、レンズのサイズが合わず交換が必要になった場合、追加費用なしで対応してくれる「保証期間」が設けられているかどうかも重要です。
一般的には「術後1年〜3年」の無料再手術やレンズ交換保証がついているクリニックが多いですが、契約前に必ず保証内容の条件を確認しておいてください。

POINT 3

「費用が安いから」という理由だけでクリニックを選ぶのは危険です。実績、検査の丁寧さ、アフターケアの充実度を総合的に判断し、ご自身が心から信頼できる医師を見つけることが最大の安全対策です。

手術後、安全に過ごすために守るべきこと

手術が無事に終わっても、そこで終わりではありません。術後のケアを怠ると、せっかくの手術が台無しになってしまう可能性があります。患者様ご自身で守っていただくべきルールをお伝えします。

  • 点眼薬の徹底: 処方された目薬は、自己判断で中断せず、決められた回数と期間を必ず守ってください。(感染症予防のため最も重要です)
  • 目を擦らない: 術後1週間程度は傷口が完全に塞がっていません。無意識に目を擦らないよう、就寝時も含め、お渡しする保護メガネを活用してください。
  • 日常生活の制限: 手術当日の入浴・洗髪は控えていただきます(首から下のシャワーは可能)。また、アイメイクや激しい運動は、医師の許可が出るまで(数日〜1週間程度)はお控えください。
  • 定期検診の受診: 術後翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後…と決められた定期検診は「何も症状がなくても」必ず受診してください。目の中のわずかな変化を早期に発見するために不可欠です。

まとめ:正しい知識と適切なケアで安全性は高められる

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ICLは、角膜を削らず、いざという時は元に戻せるという点で、非常に理にかなった安全性の高い視力回復手術です。世界中で多くの方がICLによってメガネやコンタクトの手放せる快適な生活を手に入れています。

しかし、「リスクがゼロではない」という事実から目を背けてはいけません。
だからこそ、信頼できるクリニックを選び、術前検査でご自身の適性をしっかりと見極め、術後は医師の指示を守ってケアを行うことが大切です。

インターネット上の情報だけで不安を抱え込むのではなく、まずは適応検査や無料カウンセリングにて、専門の医師やスタッフに直接疑問をぶつけてみてください。ご自身の目にとって本当に最良の選択ができるよう、私たちクリニックスタッフも全力でサポートさせていただきます。

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