朝起きた瞬間から世界がくっきりと見える。分厚いメガネや乾くコンタクトレンズから解放される。
そんな夢のような生活を叶えてくれるICL(眼内コンタクトレンズ)ですが、いざ手術を受けようとインターネットで検索すると、「ICL 危険性」「ICL 失敗」といった怖いキーワードがサジェストに出てきて、ゾッとした経験はありませんか?
カウンセリングをしていても、「もし失敗して失明したらどうしよう…」「将来、取り返しのつかない病気になったら…」と、強い不安を抱えて来院される患者様が非常に多いです。
結論からストレートに申し上げます。
ICLは、世界中で何百万件もの実績があり、厚生労働省にも認められている「安全性の高い手術」です。しかし、医療行為である以上、「危険性が完全にゼロ(100%安全)」という魔法の手術ではありません。
大切なのは、「どんな危険があるのか」を正しく知り、それを「どうやって回避するのか」を理解することです。正体不明の不安に怯えるのではなく、本記事でリアルなリスクを知って、後悔のない選択をしていきましょう!
ICLで「失明する危険性」はあるの?(噂の真相)
まずは、皆さんが最も恐れている「失明のリスク」についてハッキリさせておきましょう。
結論から言いますと、これまでICL手術そのものが直接の原因となって失明したという報告は、世界中で1件もありません。
「手術に失敗して目の神経を切っちゃった!」なんてドラマのような医療ミスは、現在の精巧な手術機器と眼科専門医の技術においては、まず起こり得ません。
ICLは角膜の端を約3mmだけ切開し、そこから柔らかいレンズをツルンと滑り込ませるだけの手術です。目の奥にある「視神経(失明に直結する部分)」には全く触れませんので、物理的に手術の失敗でいきなり失明することは考えられないのです。
ただし、後述する「術後の感染症」を放置してしまったり、極端に悪化させてしまったりした場合に、視力が大幅に低下する危険性はゼロではありません。だからこそ「術後の目薬」が死ぬほど重要になってくるんです。
「ICL手術で失明する」というのは、ネット上の根拠のない噂や過度な不安が作り出した都市伝説に近いものです。手術の直接的な失敗で失明することはまずありませんのでご安心ください。
本当に知っておくべき「3つの危険性(リスク)」と対処法
失明の危険はないにしても、実際に起こり得る「リアルな危険性」は存在します。現場で患者様が直面する可能性のある3つのリスクと、その対処法を解説します。
① 感染症(眼内炎)の危険
どのような外科手術でも共通する最大のリスクが「感染症」です。
ICLは縫合(糸で縫うこと)を行わず、自然に傷口が塞がるのを待ちます。この傷口が完全に塞がるまでの術後1週間〜数週間の間に、目の中に細菌(バイ菌)が入り込んでしまうと、「眼内炎」という深刻な炎症を起こす危険があります。
【対処法】
確率は数千分の一以下と非常に稀ですが、これを防ぐためには「術後の目薬(抗菌薬)」を医師の指示通りに必ずさすこと、そして「目を絶対にこすらず、保護メガネ・眼帯を着用すること」が全てです。トラブルの多くは、患者様の自己判断によるケア不足から起こっています。
② ハロー・グレア現象(夜間の視界不良)の危険
危険性というより「避けられない副作用」に近いのですが、術後は夜間に光を見た際、光の周りに輪っかがかかったように見える「ハロー」や、光がギラギラと眩しく散乱する「グレア」という現象が起こります。
これはICLレンズの中央に開いている小さな穴(房水の通り道)に光が反射するために起こるものです。
【対処法】
数ヶ月から半年ほどで脳が適応し、「気にならなくなった」という方がほとんどです。しかし、夜間にトラックやタクシーを運転するような長距離ドライバーの方にとっては、事故に繋がる危険なストレスになる可能性があります。夜間の運転が仕事のメインである方は、慎重に検討するか、別の視力回復方法(レーシックなど)を相談しましょう。
③ レンズの度数やサイズが合わない危険(過矯正・低矯正)
事前の検査データをもとにオーダーメイドでレンズを作りますが、人間の目の治癒力やピント調節力には個人差があるため、術後に「見えすぎて疲れる(過矯正)」や「思ったより見えない(低矯正)」といった度数のズレが起こる危険性がわずかにあります。
また、目の中のスペースに対してレンズのサイズが合わず、眼圧が上がってしまうケースもごく稀にあります。
【対処法】
ほとんどの場合は時間経過で安定しますが、どうしても合わない場合は「レンズの交換(再手術)」が必要になります。そのため、万が一に備えて「無料でレンズ交換や再手術をしてくれる保証期間(3年保証など)」がついているクリニックを必ず選ぶことが重要です。
将来的な目の病気(白内障・緑内障)の危険性は?
「手術をして数十年後に、白内障や緑内障になってしまう危険性はないの?」というのも、よくいただくご不安です。
ホールICL(穴あきレンズ)によりリスクは激減
昔の「穴が開いていないレンズ」を使用していた時代は、目の中の水(房水)の循環が悪くなり、白内障や緑内障(眼圧上昇)を引き起こすリスクが確かにありました。
しかし、現在主流の「ホールICL(中心に極小の穴が開いたレンズ)」になってからは、房水が自然に循環するようになったため、手術そのものが原因でこれらの病気になる危険性はほぼゼロに近い水準まで解消されています。
角膜内皮細胞の減少リスク
角膜の裏側にある「角膜内皮細胞」は、目の透明度を保つ大切な細胞です。ICL手術によるダメージで、この細胞がわずかに減少する危険性があります。
しかし、実は「長年コンタクトレンズ(特に酸素を通しにくいもの)を不適切に使い続けること」の方が、はるかにこの細胞を減らす危険性が高いことが分かっています。正しい適応検査を行い、実績のある医師が手術を行えば、将来に影響が出るほどの減少はまず起きません。
現在のICLは長期的な安全性も非常に高いです。さらに、万が一将来白内障などの病気になったとしても、「ICLレンズは取り出せる」ため、通常の白内障手術などを全く問題なく受けることができます。この「やり直しがきく(可逆性)」ことこそが、ICL最大の安全担保なのです。
「危険なクリニック」を見分けるための3つのポイント
ICLの危険性を跳ね上げる最大の要因、それは「クリニック(医師)選びの失敗」です。
現場から見て、「こういうクリニックはやめておいた方がいい」というポイントを3つお伝えします。
① 適応検査が短時間で適当
ICL手術の成功は「術前検査の正確さ」が9割を握っています。目のスペース(前房深度)や度数をミリ単位で測るため、本来なら数時間かかる精密な検査です。
「パパッと数分検査しただけで、すぐ手術日を決めようとする」「医師との問診時間が極端に短い」というクリニックは、安全確認が不十分な危険性があります。
② 価格が「安すぎる」(オプションで跳ね上がる)
ICLは両眼で40万〜70万円が相場です。ネット広告で「両眼10万円台!」などと極端に安い価格を提示している場合、古い世代のレンズを使っていたり、術後の検診代や薬代、さらには再手術の保証が一切含まれていなかったりする危険があります。目先の安さに飛びつくのは絶対にやめましょう。
③ ICL認定医・エキスパートインストラクターがいない
ICLの手術は、メーカーが定めた厳しい基準をクリアした「ICL認定医」しか執刀できません。さらにその上の、他の医師を指導できるレベルの「エキスパートインストラクター」が在籍しているクリニックであれば、技術的な危険性を最大限に下げることができます。ホームページで医師の資格を必ず確認してください。
危険性を極限まで下げるのは「あなた自身の自己管理」
どんなに名医が完璧な手術をしても、患者様ご自身が術後のルールを守らなければ、あっという間に危険な状態になってしまいます。
- 目薬をサボらない: 1日4回など、決められた回数の目薬(抗菌薬・抗炎症薬)を数週間〜数ヶ月、必ずさし続けること。
- 絶対に目をこすらない: 傷口が塞がるまでの1週間は、保護メガネと就寝時の眼帯を絶対に外さないこと。
- 定期検診に必ず通う: 「よく見えてるし痛くないから」と自己判断で検診をサボらないこと。目の中の異常(眼圧上昇など)は、医師が顕微鏡で見ないと気づけません。
ICL手術を成功させる最後の鍵は、患者様ご自身の「術後ケア」です。数週間の我慢と自己管理が、一生涯の安全で快適な視界を約束してくれます。
まとめ:正しく恐れて、後悔のない安全な選択を!
ICLの危険性について、現場のリアルな目線から少し厳しめにお話ししてまいりましたがいかがでしたでしょうか。
「やっぱりリスクがあるなら怖いな…」と思われたかもしれませんね。
ですが、私たちがこうして危険性やリスクを包み隠さずお伝えするのは、「すべてのリスクを理解し、納得した上で受けていただければ、ICLは本当に人生を豊かにしてくれる素晴らしい治療だから」です。
毎日コンタクトレンズを入れることにも、実は角膜を傷つけたり酸素不足で細胞を減らしたりする「危険性」が潜んでいます。「手術のリスク」と「一生コンタクトを使い続けるリスク」、どちらがご自身にとって許容できるか、じっくりと天秤にかけてみてください。
ネットの怖い情報だけで一人で悩まずに、まずはクリニックの「無料適応検査」に足を運んでみてください。ご自身の目のデータを正確に測り、担当の医師やスタッフに直接不安をぶつけていただくことが、危険性を排除する一番の近道です。
私たちが、皆様の安全で快適な裸眼ライフへの第一歩を、全力でサポートさせていただきます!


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