SNSやYouTubeなどで「人生が変わった!」「最高の手術!」と絶賛されることが多いICLですが、検索エンジンのサジェストには「ICL やめたほうがいい」「ICL 後悔」といった言葉が並んでいます。
これを見て、「やっぱり目にメスを入れるなんて危険なんじゃないか…」と足踏みしてしまうお気持ちは、痛いほどよくわかります。
結論から申し上げますと、ICLは世界中で実績があり、安全性の非常に高い素晴らしい視力回復手術です。
しかし、「全員に無条件でおすすめできる魔法の手術」ではありません。患者様のライフスタイルや性格、目の状態によっては、私たちクリニックのスタッフや医師から「あなたはICLをやめておいた方がいいかもしれません」とストップをかけるケースが確かに存在します。
本記事では、手術後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、ICLをやめたほうがいい・向いていない人の特徴を徹底的に解説していきます。
「やめたほうがいい」と言われる5つのタイプ
日々のカウンセリングや術後の患者様を見ていて感じる、「このタイプの人はICLに慎重になった方がいい」という5つの特徴を挙げさせていただきます。
① 夜間の長距離運転を仕事にしている人
ICLの構造上、術後は暗い場所で光を見た際に、光の周りに輪っかが見えたり(ハロー)、眩しく散乱したり(グレア)する現象が起こります。
ほとんどの方は数ヶ月で脳が適応し、「気にならなくなった」とおっしゃいますが、夜間にトラックやタクシーなどの長距離運転を日常的に行っている方にとっては、対向車のヘッドライトや街灯が眩しく感じられ、大きなストレスになる可能性があります。夜間のクリアな視界が仕事に直結する方は、慎重な判断が必要です。
② 「1.5以上の完璧な視力」を求めすぎる人(神経質な人)
ICLは、メガネやコンタクトレンズの手間をなくし、快適な日常生活を送るための治療です。
事前の検査でしっかりと度数を合わせますが、人間の目の治癒力やピント調節には日々の体調変動があるため、術後に「右は1.5だけど左が1.2で揃っていない!」「夕方になると少し見えにくくなるのが許せない!」と、ミリ単位の完璧な見え方を求めすぎる方は、不満を抱えやすくなります。
「裸眼で生活できれば十分快適だ」とおおらかに捉えられる方の方が、満足度は圧倒的に高くなります。
③ 術後の「自己管理(目薬・生活制限)」ができない人
ICLのトラブルの多くは、手術そのものではなく「術後のケア不足」から発生します。
術後約1週間は、1日に何度も目薬をさし、就寝時には眼帯をつけ、お風呂やアイメイクを我慢しなければなりません。また、症状がなくても定期検診に通う必要があります。
「忙しいから目薬なんて面倒くさい」「少しくらい顔をバシャバシャ洗っても平気だろう」と、医師の指示通りに自己管理ができない方は、感染症などの重大なリスクを招くため、手術を受けるべきではありません。
④ 「老眼も一緒に治る」と勘違いしている人
40代後半〜50代の方に多いのですが、ICLは近視・遠視・乱視を矯正する手術であり、加齢によってピント調節機能が衰える「老眼」を治す魔法のレンズではありません。
遠くが綺麗に見えるようになっても、手元の小さな文字を読むときには「老眼鏡」が必要になる場合があります。「手術をすれば、遠くも近くもすべて裸眼で見えるようになる」と思い込んでいると、術後にギャップを感じてしまいます。
⑤ とにかく「安さ」だけを求める人
ICLは両眼で40万〜70万円と高額です。「少しでも安く済ませたい」というお気持ちはわかりますが、極端な格安クリニックや、アフターフォロー(保証期間)が全くないプランを選んでしまうと、万が一視力がズレた際のレンズ交換費用が全額自己負担になってしまうなどのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
目という一生ものの器官に対する投資であると考えられない方は、無理に手を出さない方が無難です。
ICLは「ライフスタイル」と「性格」によって向き不向きが分かれます。ハロー・グレア現象への理解、完璧主義すぎないこと、術後ケアを守れることが、後悔しないための絶対条件です。
適応検査で「やめたほうがいい(手術できない)」と断られるケース
ご本人が「受けたい!」と強く希望されても、事前の精密検査(適応検査)の結果、安全性の観点から医師が「あなたにはICLはできません」とお断りするケースが一定数あります。具体的には以下のような理由です。
目のスペース(前房深度)が狭い
ICLレンズは、角膜(黒目)と虹彩(茶目)の間のわずかなスペースに挿入します。
このスペース(前房深度)が生まれつき狭い方は、レンズを入れると目の中の水(房水)の巡りが悪くなり、眼圧が上がって緑内障を引き起こす危険があるため、手術をお断りします。こればかりは生まれつきの構造なので、努力でどうにかなるものではありません。
角膜内皮細胞の数が少なすぎる
角膜の裏側にある「角膜内皮細胞」は、角膜の透明度を保つ重要な細胞で、一度減ると二度と再生しません。
長年のコンタクトレンズの酷使(酸素不足)などでこの細胞が極端に減ってしまっている方は、手術のダメージに耐えられない可能性があるため、ICLを受けることができません。
視力がまだ安定していない(特に10代)
18歳未満の方や、ここ1〜2年で近視がどんどん進行している方は手術を見合わせます。せっかくICLで度数を合わせても、眼球自体が成長して視力が変わってしまえば、すぐにまた見えなくなってしまうからです。
(※基本的には視力が安定する21歳以上を推奨するクリニックが多いです。)
適応検査で断られるのはショックかもしれませんが、それは「あなたの目を守るための、クリニックの誠実な判断」です。無理に手術を引き受けるようなクリニックの方が危険だと思ってください。
「やめたほうがいい」というネットの噂の真相は?
最後に、インターネット上でよく見かけるネガティブな噂について、現場の知見から少しだけ補足させてください。
- 「失明するって聞いた!」
→ 非常に誤解が多いですが、これまでICL手術そのものが原因で失明したという報告は世界中で1件もありません。感染症のリスクはゼロではありませんが、術後の目薬をしっかり守れば極めて稀なケースです。 - 「白内障になるらしいよ」
→ 昔の「穴が開いていないレンズ」を使用していた時代の話です。現在主流の「ホールICL(穴あきレンズ)」になってからは、手術が原因での白内障リスクはほぼゼロに近い水準まで解消されています。
まとめ:ネットの情報だけで諦めず、まずは自分の目で確かめよう
「ICLをやめたほうがいい人・ケース」について本音でお話ししてまいりました。
少し厳しいことも書きましたが、これは皆様に「すべてのリスクを理解した上で、心から納得して決断していただきたい」からです。
ICLは、適応条件を満たし、術後のケアをきちんと行える方にとっては、大げさではなく「人生が変わる」ほど素晴らしい治療です。メガネが曇るイライラや、コンタクトが乾いて張り付く不快感から一生解放される喜びは、何物にも代えがたい価値があります。
「自分はやめたほうがいいタイプなのかな?」「そもそも私の目は手術できるのかな?」
そうやって悩んでいるうちは答えは出ません。まずは、専門クリニックが実施している無料の適応検査とカウンセリングへ足を運んでみてください。
ご自身の目の正確なデータを取得し、ライフスタイルに関する不安を直接医師やスタッフにぶつけていただくことで、初めて「自分にとってICLをやるべきか、やめるべきか」の本当の答えが見えてくるはずです。
私たちクリニックのスタッフは、無理に手術を勧めることは絶対にいたしません。あなたにとって最良の選択肢を一緒に見つけるお手伝いをさせてくださいね。


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